送鐘と言う言葉を初めて知ったのは、「取締役 島耕作」での一コマ。
「鐘」は中国語で時計を指します。
時計を送る「送鐘」は中国語で死を看取る「送終」と同じ発音になるため、中国では置時計を送ることは縁起が悪くタブー視されているそうです。
こんな解説を読んでいたため、中国人には置時計を送ってはダメなんだ、ということは知っているつもりでした。
一カ月ほど前の話ですが、友人宅に新築祝いを兼ねてお邪魔させてもらいました。
ちなみに、友人の奥さんは中国人の女性です。
他の友人と選んだ新築祝いは掛け時計。
すっかり忘れていました、「送鐘」という言葉を。
友人の奥さんは日本での生活が長いため、こういった文化的な価値観の違いには理解を示してくれてるみたいでしたが、後から友人に指摘され、あっ、そーいえばと思い出しました。
置時計だけじゃないのかと聞いたところ、腕時計はいいけど他の時計は縁起が悪いから基本的にはタブーだよ、とのことでした。
肝心な時に忘れてしまう知識は、何の役にも立たないことを実感しました。
悪気がなかったとはいえ、申し訳ないことをしたなとその時は反省。
漢字の意味は、中国と日本の間では共通点もあれば全く異なる意味になってしまう言葉もあります。
僕自身、そういった異なる漢字文化の被害者です。
僕の名前に使われている漢字の一つは、中国語ではいわゆるFワードになってしまいます。
分かりやすく言うと、中国語で自己紹介をすると「僕の名前、ファックです」という感じになってしまいます。
日本語と中国語では発音が違うんで、名前を音で紹介するぶんには問題ないけど書いてしまうと随分シュールな自己紹介になってしまいます。
そのため、中国人の友人には名前を漢字で書いて中国人に紹介しない方がいいと言われたことが何度もあります。
ただ、こういう風に言うのは中国人で、台湾人は意味は理解しても気にしなくていいんじゃない、と言う人が多いです。
同じ言葉でも、文化、習慣、風習などの微妙な違いによってとらえ方も違ってくるのかもしれません。
この他にも日本語だったら特別変わった名前ではないけど、英語だと、なんでそんな名前なの!ありえねー!と引かれてしまうような名前もあります。
これからの時代、子どもに国際人になって欲しいと願っている人は日本語だけでなく、海外の言葉の意味を踏まえて名前を付ける必要があるのかもしれません。